美しいタイトルに惹かれ、公開からほぼ1年後の過日、予備知識をほとんど仕入れず鑑賞しに行きました。 近くのシネコンMOVIX橋本という劇場では、年に一度ファンの投票により選ばれたミニシアター系の作品を集中上映する「シネマ・ワールドカップ」という企画を行っていて、各国の作品を数百円で鑑賞できるのですが、今年はこの作品が初めに架かりました。
映画のタイトルにもなっている「The Wind that Shakes the Barley」という美しい曲を澄んだ声で老婆が歌うシーンは、作品の冒頭に描かれるのですが、そこに至る惨劇から始まり、100年前のアイルランドの状況を描く,、悲しみのみに満ちた全編の作品感をすべて表しているように感じられます。 私自身、アイルランドの歴史については断片的知識以外はほとんど無く、映像から伝わってくるリアリティに只圧倒された時間でした。
独立を手にするまでの苦難の道のりの後、やっと訪れた平和なひととき、しかし更に過酷な現実が待っていた・・・。 外敵との戦いの後、かつて共に戦った者同士の対立と争い。現在のアフリカや、中東などでも見られる事実です。 そして現在進行形のこの国の悲劇をもっと深く知ってみたいという気持ちにさせられました。 民族の自由と独立、平和日本にいてあまりにも普通に享受できていることが、いかに貴重なのか今一度向き合ってみたいと思います。
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